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鉄 [Fe]

【鉄の働き】

赤血球のヘモグロビンの主成分。
筋肉中のミオグロビン(ヘモグロビンに似たたんぱく質)のエネルギー源になる物質の成分としても使われます。
赤血球中のヘモグロビンの合成に必要とされ、体の各器官に酸素を運ぶ働きをします。

呼吸で取り入れた酸素は、血液中の赤血球が全身に運びます。
これは鉄分で出来たヘモグロビンが酸素と結びつきやすいからです。
そのためヘモグロビンが不足すると、
赤血球が減少したり不活性になったりして体が酸欠状態になり、
貧血・食欲不振・息切れ・めまい・疲れやすいなどの症状が起こってきます。

健康な人なら常に3.5g程度の鉄分が体内に存在しているそうですが、
鉄分は新陳代謝などによって、1日に1~1.5mgくらいは自然に失われているそうです。

ですから、心して鉄分を摂取する必要があります。
特に女性は月経や出産、妊娠中は胎児に取られ、授乳中は母乳として供給されたりで、
鉄分不足になる要因がとても多いので、注意が必要です。

成人女性の1日あたりの所要量は12mg。男性の10mgより多いことからも、
失われがちな鉄分を積極的に摂取しないといけないことがわかります。
(成人1日あたりの摂取必要量は、男性は7.5mg、女性は10.5mg。???)

ところが鉄分は食品からの吸収率が非常に悪く、約10%しかないそうです。
さらに食べ貯めもできませんから、日々しっかりバランスよくとることが必要なんです。


鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄がありますが、ヘム鉄のほうが非ヘム鉄より吸収率がよく、
また非ヘム鉄もビタミンCがあると吸収率が高まりますので、是非一緒にとるようにしましょう。

鉄分の多い食品としては、動物性食品のヘム鉄では豚や鶏のレバー、
ハマグリやしじみなどの貝類、
植物性食品の非ヘム鉄ではひじき・ほうれん草・小松菜・高野豆腐などがあります。

反対にタンニンや食物繊維は鉄の吸収を阻害します。
コーヒー、緑茶、紅茶などはタンニンを含んでいますから、
食事のすぐあとにとるのは避けたほうがいいですね。


人の体内に存在する鉄分のうち、ヘモグロビンに存在する鉄分を機能鉄と言い、
肝臓に蓄えられている鉄分を貯蔵鉄といいますが、機能鉄は不足が許されず、
不足した場合には貯蔵鉄がまわされることになります。

この状態が続くと、貯蔵鉄はそのうち底をついてしまい、
鉄欠乏性貧血が進行、さらに重症化することとなります。

鉄欠乏性貧血に対し、薬として鉄剤を補給する方法もありますが、
鉄剤は胃腸に負担をかけ、過剰摂取はリスクを伴いますので、
必ず医師に相談しましょう。

髪に栄養分を運ぶ働きもあります。健康な髪には必要不可欠で、不足すると赤っぽいパサパサした髪になります。


【鉄を多く含む食品】

チンゲン菜・ごま・干しエビ・うなぎ・レバー・牛肉・ピーマン・芽キャベツ・まぐろ・ひじき・クレソン・ひじき・鰯・わかめ


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