頼みごとをお上手に (アイ・メッセージを使って)

夕飯の支時どき、
しばらくのあいだ、主婦にとっては忙しい時間帯になりますね。

さっき取り込んだ洗濯物は、そのままでまだソファーの上、
食事を並べるテーブルも片付けたいし、
ただテレビを見てるだけのそのへんの人は
手伝ってくれないかしら?

と思いませんか?

でも、なにかに夢中になっている時や
あまり手伝いをしたがらない子共に、
「洗濯物たたんでちょうだい」
「テーブルを片付けてちょうだい」なんて言うと、
「えーっ」と、嫌そうな返事が返ってくることもあります。

思わずムッとして、
「(あなたは)お母さんが忙しくしてるのがわからないの?」とか
「(あなたは)○年生なんだから、それくらい手伝っても当たり前でしょ!」とか
「○○ちゃんは、言われなくても毎日洗濯物をたたんでくれるんだって
(あなたは違うわね)」
なんて言っちゃうかもしれませんね。


一人で忙しくしていると、
「私の大変さに気付いてほしい」「気付いてくれるに違いない」とか、
「みんなのためにご飯の支度をしているんだから
手伝ってくれて当たり前」
なんていう期待が心の中に生まれます。

ところが、
すんなり気持ちよく手伝ってくれないと、この期待がはずされてしまいます。

するとがっかりして、怒りや腹立ちの感情が生まれるんですね。
でも怒りの感情には、相手の素直さをなくする作用があるんです。

手伝ってはくれないか、
手伝ってくれてもイヤイヤ、しぶしぶということになり、
その態度にまた腹が立ったり。

「あなたはいつもそうなんだから・・・」
なんていう言葉が口をついたりします。


むっとしたときについ言ってしまうせりふを見ると、
全部「あなたは(君は、お前は)〜〜」という言葉が隠れていますねぇ。

この「あなた」が主語になっている頼み方やしかり方は
相手の心に響かないばかりか、人をダメにしてしまう言い方なんですね。

だって「あなた」といわれている本人は、
そのことでちっとも困っていません。それなのに
「あなたはダメねぇ」みたいな話になってしまうのですから。

ではどうすればいいか?

 ↓

 ↓

 ↓

まずは、

・洗濯物をたたんでしまいたいけど、ご飯のしたくで手が離せない
・テーブルの上が散らかっていて、出来上がったご飯を並べられない

など自分が困っていること、助けてほしいことを具体的に伝えて、

「だから、あなたが手伝ってくれるとすごく助かる(嬉しい)」
という風に言ってみましょう。

これは、「私は○○で困っています」「私は助かる(嬉しい)」
というように、「私は」が主語になっていますね。


最初の「あなたは」が主語になっている言い方を「YOU(ユー)・メッセージ」
「私は」が主語になっている言い方を「I(アイ)・メッセージ」と言います。


不思議なもので、言い方をアイ・メッセージに変えるだけで、
相手の反応は違ってくるんです。


思い返せば子供の頃、
「そろそろ手伝いをしようかなぁ」
なんて思ってる矢先に
「ちょっと○○をしてくれるといいんだけどっ!」
なんて母から言われると、とたんにやる気が失せてましたっけ。

もうちょっと言い方を変えてくれると、
嫌な気分にならずに手伝いも出来るのにと、日々思っていました。

だから自分の子供に対しては気をつけようと思ってはいたのに、
やはり感情的になることもありました。

でも、アイ・メッセージを使うようになったら、
腹の立つことも少なくなり、
頼みごとがとてもしやすくなりました。


アイ・メッセージを使える相手は、子供だけではありません。

「うちのダンナ、ごみ捨てもしてくれないし・・・」
なんて言ってる人は、
ダンナ様に頼んでもみないで
「どうせ頼んでもしてくれないから」と決めつけていたり、
一度頼んでダメだったからと諦めたりしているのではありませんか?

ものは試し、ダメでもともと。
一度、「ゴミを捨ててくれると、すご〜く嬉しい(助かる)」
という風に言ってみましょう。

もちろんごみ捨てだけでなくて、ほかの家事も
案外すんなりと引き受けてくれるかもしれません♪


「人を変えようと思ったら、まず自分が変わらなければならない」

つまらない固定観念は捨てて、
いろんなパターンを楽しんでみましょう。
思ったより簡単に相手も変わってくれて、
人生が明るくなるかもしれませんよ♪


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